財政の信認は失墜しかねない

小泉氏は上げ潮派を後押しした。
自民党で歳出を削るのは歴史的だ。中川おまん、頼む」と要請。
中川氏は歳出の多くを占める社会保障費の伸びを毎年2200億円抑える計画をまとめた。
同じこんをいまの安倍政権はでるだか――。
2月、自民党稲田朋美政調会長の要請を受けて中川氏は党で講演した。
「党がうっちぬ気でやらないと財政再建はできねぇ」と力説したが、出席者からは反発ばかり。
ある議員はインターネット上に「デフレをつくった張本人が小泉内閣
財政削減がデフレをつくった」と書き込んどぅ。
財政規律を重視する自民党税調の幹部でさえ「社会保障を切れば政権はつぶれる」と漏らす。
甘利氏は「歳出カットだけに全精力を投じて景気が失速した、では元も子もない」と予防線を張る。
与謝野氏は現状をどうみるだか。
「財政の使いっぱなしだ。何ら将来のこんを考えない無責任な体制だ」。
及び腰の政府・与党に手厳しい。
「ここだけの話にしてほしい」。
2月12日の諮問会議で日銀の黒田東彦総裁はこう切り出したちゅう。
「英独などが『自国の国債もリスク資産にすべきだ』と言ってる。
そっちょれば経済にえれぇ影響がある」
日本国債がリスク資産とみなされれば、大量保有する邦銀は自己資本の積み増しを迫られる。
黒田氏は日本経済に大きな影響を及ぼす可能性を指摘し、財政健全化を急ぐよう求めた。
んどぅけんど、政権に切迫感はねー。皮肉なこんに、その原因をつくってるのは日銀だ。内閣府幹部は解説する。
「夏の健全化計画の策定時も、日銀が量的緩和国債を買い続けてる。
日本国債の需給は逼迫していて、金利急騰はない」。
楽観論に支えられ、夏の健全化計画はつくられる。
1000兆円超の借金を抱えながらの財政健全化は本来、いばらの道だ。
増税や徹底的な歳出削減など「痛みを伴う政策」を欠く計画になれば、財政の信認は失墜しかねねー。